特別徴収されてるのに住民税の納付書が届いちゃう理由

6月から新しい支払年度に切り替わる住民税。今の職場で働き始めて不思議な問い合わせをよく目にするようになりました。

🤔「住民税が給与から引かれているのに納付書が届きました。なんででしょう?」
  (え、なんででしょうね? 🤔)

😤「給与でも納付書でも払ってて、二重で払ってるんですけど!!!」
  (怒られましても…😌)

1件目の問い合わせの時には「まぁなんかの手違いだろう」くらいに思っていたのですが、すごい熱量で問い合わせされる方がいて怖くなり調べてみたら手違いじゃなかった。
※そもそも住民税額が決定するところから書いてしまったので、「そんなん常識や」って方はすっ飛ばして謎の納付書が届く訳にお進みください

そもそも住民税額が決定するまで

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会社が年末調整を行うとその結果票として源泉徴収票を発行します。源泉徴収票は本人に渡すだけでなく、会社から従業員が住んでいる市区町村と会社の所轄税務署に提出しています。

以前勤めていた会社はIT企業なのに源泉徴収票は昔懐かしい複写式。社員全員分ペリペリ剥がして1枚目は本人に。これは簡単。
2枚目の市区町村への提出用は新宿区に住んでいる社員分を寄せ集めて新宿区に、次は文京区、次は世田谷区…と社員が住んでる市区町村数分やる訳です。みんな仲良く同じ区に住んでくれないかな😇って気持ちになります。
3枚目の税務署への提出用は提出しなければいけないものだけ選別する必要があります。ちなみに選別要件はこちら

提出期限は市区町村も税務署も翌年1月31日。こんなペリペリやら仕分けやらしなくてよくしてくれるHRシステム神さま仏さま〜 & 複写式時代の先輩方尊敬…ってなります。

市区町村はこの会社から提出された源泉徴収票を元に住民税額を決定します。
厳密に言うと市区町村に送られた源泉徴収票は見た目は源泉徴収票と一緒なのですが、給与支払報告書と言う名前です。
税額が決定すると「私たちの区に住んでいる従業員はこれだけいるので〇〇円納めてくださいね」と会社に対する税額決定通知書と「あなたの住民税額は◯◯円です」と個人に対する税額決定通知書の両方を遅くとも5月までに会社に送ってくれます。
会社は送られてきた税額決定通知書を元に6月から住民税を給与天引きし始めます。個人の税額決定通知書は従業員に配布します。(個人に郵送してくれないかなぁ…せめてPDFとか🙏)

謎の納付書が届く訳

さて、本題。

会社で年末調整をしたものの会社の給与以外での所得や損失がある場合、各人が年末調整の他に確定申告をしなければなりません。

確定申告をすることでその年の所得が会社から市区町村へ提出された給与支払報告書から変動する場合があります。給与所得以外の所得を申告して所得が上がれば税額は上がりますし、損失を申告して所得が下がれば税額は下がります。
ただし給与所得と相殺できる損失は不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の4つだけ。株取引等での損益は相殺することができないので「確定申告をした = 必ず住民税額が変更される」訳ではありません。

確定申告書Bの第二表に「住民税・事業税に関する事項」という項目があります。
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右端の方の小さい欄に「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」ってありますよね。
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この欄で「自分で納付」に○をしていると給与所得との差分の税額だけ納付書での納付になり、特別徴収をされながら別で普通徴収もされると言う事態になります。
はたまた厄介なのは空欄にしているものの、市区町村によっては空欄にしている人は問答無用で普通徴収として処理している場合があるので、本人の意図しないところで普通徴収になっている場合もあります。

この欄、副業NGの会社で隠れて副業されている方々にとってはありがたい欄なのでしょうが、副業OKな会社に勤めている人からするとただのトラップな訳です。
トラップにはまってしまい普通徴収にされたものでも、会社で特別徴収切替の手続きをすれば元々特別徴収するべき税額とマージしてくれます。

という訳で、会社の手違いでもなんでもなく、ただただ知らないところで手続きがされていただけでした。
今年も「確定申告なんてしてないですよね…?決して二重で払ってる訳ではないんですよ…実はちっちゃい欄なのですが◯しないといけないところがありまして…」と探り探り対応していく所存です😇